グリーンカレーが名物料理として、多くのお客様に好評を得ていたある日。
あるお客様に、衝撃の事をされてしまいました。
「これ、美味しいからあげる」見るとある会社が出しているレトルトのグリーンカレーでした。
悪気が無いようだったのですが、これにはシェフおぐしが激怒してしまいました。
「ラーメン屋にカップ麺を持ち込んで、『美味しいですよ』と言われているのに等しい」
しかしそれと同時にやや不安になってしまいました。
(好評とはいえ日本人である我々が作るこのグリーンカレーは本当に正しいのだろうか?) |
タイに向けて出発
ミャンマーの屋台で販売していた豆腐のような料理。 |
それから1週間ほど経った頃、ちょうど大阪の天王寺公園でタイフェスティバルが開催されていました。
この日は新しいパソコンの設営などの関係で臨時休業を取っておりましたので、確認の意味もこめて、夕方に会場に行きました。
毎年のように遊びに行っているもののいつもなら夕方から仕事なので、相手にもしなかった航空券が当たる抽選も、この時は最後までいるつもりだったので、面白半分に応募して、フィナーレを迎えたその時!
なんとタイへの航空券が当たってしまったのです。
「これは、神のような存在が、『本国に行って勉強して来い』という事に間違いない」と確信した2人は、予定を変更し、1ヵ月後にタイに向けて旅たつことになりました。
ちなみにタイフェスティバルででていたグリーンカレーはパッとしたものは見つかりませんでした。
出発先は、タイ国内ならどこでも良いという
優れものチケットだったので、せっかくという事で
まだ言ったことのない北部を中心に旅をすること
となりました。
日本からタイのバンコクを経由して、チェーンラーイへ
そこからタクシーに乗ること1時間で国境の町メーサイ
さらに、半日のビザをその場でとって、ミャンマーに
入国。
いきなりタイとも一味違う異国に入り込みました。 |
もちろん本来の目的である「グリーンカレー」の
探訪は忘れていません。夕方再びタイのメーサイに戻り、1泊した翌日グリーンカレーを食べました。
ただ、ここは味以上に驚いた事として、「無料」
何かのイベントだったのでしょうか?
タイ文字がわからないので今でも不明です。 |
メーサイのグリーンカレー。警察署の前で振舞われていて
偶然に入ったところで、何故か料金無料だった! |
チェンラーイでのグリーンカレーその上にあるのがホーモック |
次に、チェンラーイの町に。夕方地元で人気という店に入って食べたグリーンカレーは、メーサイのより少し
荒々しい感じがしました。
それより感動したのはその上に写っている
「ホーモック」辛味が何ともいえないうまさでした。 |
チェンラーイでは2泊し、その間に
ゴールデントライアングル等を見学。
次に訪れたチェンマイの町には夜に到着。
ちょうど町は日曜日に開催されている。
サンデーナイトマーケットで多くの人だかりで、その後は鍋を食べることになったので、しばらく
グリーンカレーとは、お別れです。
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チェンマイのサンデーナイトマーケット |
チェンマイのグリーンカレー(入っている器は、店のと同じニワトリ柄) |
チェンマイでも、郊外にある山岳少数民族の村に
行ったり、醸造しているビアレストランに
行くなど、少しグリーンカレーから逸脱しすぎたので
「いくらなんでもこれはまずい!」という事で、
ようやく宿の近くのお店にて・・・うーんちょっと
ココナッツミルクが多いような・・・。 |
こうして、タイ北部の町でグリーンカレーを食べ歩きましたが、どうも納得できるものが見つかりません。別にグリーンカレーがタイ北部の名物料理というわけでもないので、当然なのかもしれませんが、最後に首都バンコクへ。
「ここなら」と、いきなり高級レストランに。
物価の安いタイだからこそできる芸当です。 |
高級ホテルのグリーンカレー・・・味が(というよりコストパフォーマンス悪すぎ) |
自家製ペーストのグリーンカレー見た目ではなく
味が最高に良かった。・・これこそ自家製ペーストの実力か! |
しかし、ここでもガッカリ。いや最もガッカリしました。
大して美味しいとも思わないのに金額だけは他店の
数倍します。高級ホテルだと思って期待していったのが
少し悔やまれます。
このまま、タイ本国で美味しいグリーンカレーに出会えずに帰国するのか・・・・抽選で航空券が当たったから
来たとはいえ、それは余りにも寂しすぎる。
とここで、シェフおぐしが取って置きの作戦を練って
いました。タイ在住の師匠が薦めてくれた店の中に
タイ本国でも数少なくなった自家製ペーストの
グリーンカレーを出す店の情報を入手していたのです。
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タイ在住の師匠・・・ワンディカリナリースクールでお世話になったサクライ氏の推薦した
自家製ペーストのグリーンカレーのお店に行き、早速注文。
見た目は写真のように、余り緑色をしていませんでしたが、口に運んだ瞬間「これだ!」と感じました。
今までのグリーンカレーとは味の深みが違う・・・これが自家製ペーストの実力だと直感しました。
その味は、まさしく店で出しているグリーンカレーに最も近く、(店のほうがスパイシーさとインパクトは上)
これで、ようやく自信を持って帰国することが出来たのでした。
日本国内はもとより、タイ本国とも互角以上の味を出している自信は、次の展開に向けて突き進む
事になるのでした。
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