グリーンカレー物語            戻る

その1「名物料理になるまで」

ワンディカリナリースクール」の修了認定証
2002年の冬。 現在の店開業1年ほど前に、
シェフの「おぐしみき」が、タイ・ベトナムに本格的
な料理留学したときに通った、
タイ王室ご用達料理教室「ワンディカリナリースクール」で、
この
自家製ペーストのグリーンカレーを習いました。
このレシピを考案したのが、
校長のワンディ先生で、
修了認定証をもらいましたが、
一年後に開業した店は
アジア料理店ではなかったので
わずかに作るくらいで
あまり活用していませんでした。

まん中がワンディ先生。左は日本人コーディネータで、
現在横浜でタイ料理教室を開催しているサクライチエリ氏
やがて、お店を開業 して2・3年経ったころ。あるお客様から
「この店の名物といえるものは何ですか?」と質問を受け ましたが、
当時、すべての料理に自信はあるものの、これといった店の名物料理が
無かったので、キッチリ答えることが出来ませんでした。
そんなある日、夏の日差しのが厳しい日の事。
1人の男性のお客様が額に、汗を沸き立たせながら来店。
「熱いのでビールをください」
早速生ビールを提供して、落ち着かれたそのお客様曰く、
「いや、実は○○というカレー屋さんを探して いるのですがご存知ですか?」
というところから話が進んでいき、この方は全国各地でカレーを食べ歩いている
方だったのでした。

「実は・・・タイのカレーでもよろしいのなら、この店にもあるんですが」

とシェフおぐしの一言が、
それまで裏メニュー程度の扱いに過ぎなかっ た。
グリーンカレーの運命を大きく変える事になりました。

「是非食べてみたいです」
「今は無いので明日で如何ですか?」
「わかりました必ず行きます」
とその方も大変興味を示されたグリーンカレー
早速翌日仕込んだカレー。
約束どおり再度来店され、出来立てのグリーンカレーをうまそうに召し上がられて
帰られました

数日後、「この人ネットで書いているかも
しれないから調べよう」
と言うことで検索すると
早速ヒット。やはり有名な通のカレーサイトでの
評価は非常に高く、これ以上上の店となれば
インドカレーくらいしかないほどの評価。
コメントに
「丁寧に作ればこんなに美味しくなるんだ」
と食べ慣れている方からの高評価は、このグリーンカレー
を、もっと多くの人に食べてもらおうという動機付けに
なるにはなんら障害を感じるものではありませんでした。

こうして、自家製ペーストのグリーンカレーとして
日・月のランチタイム限定で提供開始。
おおむね高評価で、タイ料理などを食べなれていない
人でも美味しいという声を聞くようになって行きました。
その話題は、遠く関東からも響いたのか、ある日タクシーで乗りつけたグループの方々。
ネットで見つけてわざわざ来店され、非常にハイテンションながらも、グリーンカレーを
やはり高評価してくださいました。

アジア料理に詳しいことが会話の内容でわかったので、シェフおぐしが帰り際
「皆さん食べなれていらっしゃいますね」と声を掛けたところ、横にいた男性が少し笑いながら
「いや、実は有名な歌手でカレーの本も出しているのです よ」との事。
そういう関係に疎い私達は全く気づかず、後日調べると、
確かに有名な歌手でカレーの本も出している方々。
このときに確信しました。
「これだけ食べなれている方が美味しいという のなら間違いない」
恩人ともいえる人たちの来店を境に、店の名物料理として、お客様に
「お 勧めは何ですか?」
聞かれると辛いのが苦手でない限りは、必ずこのグリーンカレーを最初に薦めることになりました。
また、
試行錯誤を続けワンディ先生のレシピを大きく開花させた、
シェフおぐしのグリーンカレーとなって行きました。


その2へ