【河内長野市】日本の国花を恐怖に陥れるクビアカツヤカミキリ。河内長野でも独自の取り組みで桜を守ります
日本には四季を通じて様々な花が咲きどれも美しいのですが、その中でも4月に咲く桜は別格ではないでしょうか?菊と並んで日本の国花である桜は、満開の頃に桜の木の下で宴会をする花見が日本の代表的な風物詩のひとつです。
しかし、そんな桜を恐怖に陥れる存在がここ数年に急激に現れて、みんなの頭を悩ましています。それがクビアカツヤカミキリです。
クビアカツヤカミキリは、ここ数年で急速に増え、繁殖力も強いので桜の木を次々と枯らしてしまう特定外来生物です。そして、先日標高1000メートル地点の金剛山の山上でも見つかり、その場で駆除されました。
そして、必ずしも桜の木の周りにいるとは限りません。河内長野市内の駅の近くで、まもなく開店するバーがあり、その場所の前で様子を見ていると偶然飛んできたのです。
(バーは広報かわちながの7月号の裏表紙にでています)
生き物に対してこのような行為は本来したくはないのですが、事情を知っているので足で踏みつけて成敗(駆除)しました。
なぜすぐ駆除しなければならないかを知ったかというと、以前寺ヶ池公園で「サクラを守れクビアカカミキリムシ夏の陣」というイベントを取材したからです。クビアカツヤカミキリの生態や問題点、実際に木を見ながら見つけた痕跡や駆除方法、さらには死んだクビアカツヤカミキリを使った標本づくりなどを取り上げました。
このときの主催は大阪府立環境農林水産総合研究所(おおさか環農水研)さんだったのですが、それとは別に、河内長野市でも独自の取り組みを行っているという情報を得ました。
クビアカツヤカミキリの話題が続いてしまうのもどうかと思いましたが、やはり日本の国花を恐怖に陥れるクビアカツヤカミキリについては、より周知を徹底しないといけないこともあり、取り上げさせていただくことにしました。
ちなみに河内長野市でのクビアカツヤカミキリに関する担当部署は、都市環境安全局 地域資源循環部環境政策課環境政策グループです。クビアカツヤカミキリに対してどのような取り組みを行っているのか担当者にお話を伺いました。順次紹介しましょう。
(通常の標本)
クビアカツヤカミキリの標本についてはすでに「夏の陣」で行いましたが、それに一歩進んだレジン標本づくりを、8月13日水曜日13:00からキックスで行われます。レジン標本とは樹脂標本とも呼ばれるもので、透明の樹脂の中に標本を入れて固める方法。標準的な標本に対して360度いろんな角度から見られるという特徴があります。
(レジン標本)
レジン標本づくりの対象者は河内長野市民で、定員が12組(1組3名まで)となっており、電話で受付を行っています。持参も可能ですがすでに駆除済みのものが対象です。興味のある方は環境政策課 環境政策グループに問い合わせましょう。
(クビアカツヤカミキリを木から容器に移してその場で駆除)
クビアカツヤカミキリは、法律により見つけ次第その場で駆除する必要があります。ただ見つけて駆除するだけでなく、その数を報告することでランキング形式にしています。個人ごとのランキング形式にすることで、クビアカツヤカミキリの防除に対する興味のきっかけや、さらなるモチベーションにつながり、結果的に啓発の機会になればとの思いで企画されたとのこと。
詳細は河内長野市の公式該当ページ(外部リンク)に書いてありますが、具体的には次の方法で行います。
駆除の報告方法は、上のリンク先から入れる「駆除等報告フォーム」にて、ランキング参加番号を入力して実際の駆除数を報告します。入力フォームではクビアカツヤカミキリを見つけた日、見つけた場所、見つけた種類(成虫、フラス、その他)、被害を受けていた木の種類を必須項目として答えます。つまり成虫だけでなく成虫の仕業と考えられるフラスを発見しても報告してほしいそうです。
(クビアカツヤカミキリの仕業とされるフラス)
また、以下は任意回答ですが、可能な限り回答してもらえたら幸いとのこと。
クビアカツヤカミキリ対策として被害樹木への薬剤、ネットによる処置やこれら防除物品の配布など、市民とともに対策を行っています。その中で防除物品をより充実させるための施策を9月29日まで行っているそうです。
具体的には公共施設で使用したり、市民等へ配布する防除用薬剤、防除ネット、樹幹注入剤の購入や、ポスター作成等の啓発に要する費用などを調達できればというもの。目標額に達成しなくても活用できますし、目標を超えたら基金積み立てを行うなどを行って翌年度以降の施策への活用を考えているとのこと。
返礼品のないふるさと納税プロジェクトなので、河内長野市民も含めて全国誰でも参加でき、寄付金控除の対象になるそうです。詳細は河内長野市の公式該当ページ(外部リンク)をご覧ください。
ということで、担当の方にお話を伺い、3つの取り組みを紹介しました。山が近い河内長野は、夏の夜にはいろんな虫が活動します。その中でも首の部分が赤いクビアカツヤカミキリだけはその場で成敗し駆除する必要があります。そして単独で駆除するだけでなく、市の取り組みに参加することで同じ志を持った仲間同士が競い合いながら桜を守るために対策を行えば、少しでもさくらの被害を防げる可能性が高まるのではないでしょうか。
住所:大阪府河内長野市原町1-1-1
TEL:0721-53-1111(内線537)
アクセス:河内長野市役所前バス停下車すぐ